ビアンキ スプリントは重い?評判や重量と軽量化のコツを徹底解説!
イタリアの空の色を映したと言われる伝統のチェレステカラー。創業130年を超える老舗ブランド、ビアンキが放つフルカーボンロードバイクとして、多くのサイクリストの憧れの的となっているのがスプリントです。
エントリーグレードのアルミロードバイクからのステップアップや、初めて本格的なカーボンバイクを手に入れたいと考える方にとって、このモデルは非常に魅力的な選択肢でしょう。
しかし、いざ購入を検討し始めてインターネットで検索してみると、ビアンキのスプリントには重いといった気になる関連ワードが表示され、実際の評判はどうなのかと不安を感じている方も少なくないはずです。
確かにロードバイクにおいて軽さは正義とされることが多いですが、スプリントにはカタログスペック上の重量数値を補って余りある優れた特徴が数多く凝縮されています。
上位モデル譲りのエアロダイナミクス形状による空気抵抗の削減や、レースからロングライドまで対応できる懐の深いフレーム設計など、実際のフィールドでの走り心地こそが真の評価基準となるべきです。
また、近年主流となりつつあるディスクブレーキモデルを選ぶべきか、あるいは中古市場などで手に入る軽量なリムブレーキモデルを探すべきかも、購入前の悩ましいポイントと言えるでしょう。さらに、完成車の状態からパーツを交換することで軽量化の余地がどれくらいあるのかも知っておきたいところです。
この記事では、スペック上の数値だけでは見えてこないスプリントの実態を多角的に深掘りし、このバイクがあなたにとって最高の相棒となり得るのかを徹底的に検証していきます。
- ビアンキ スプリントが「重い」と言われる具体的な理由と実際の走行性能
- 最新モデルのスペック詳細と、ディスクブレーキモデルを選ぶメリット
- 完成車購入後に効果的な軽量化を実現するための具体的なパーツ選び
- スプリントが初心者から中級者まで長く愛用できるオールラウンダーである理由
ビアンキ スプリントの評判でよく聞かれる重いという噂と真の特徴
ビアンキのラインナップにおいて、スプリントは「レーシング」カテゴリーに位置づけられていますが、トッププロが使用するハイエンドモデルとは異なり、ホビーライダーの手が届きやすい価格帯と扱いやすさを重視して設計されています。
そのため、重量面に関しては様々な意見が飛び交っています。ここでは、スプリントの基本的なスペックを確認しながら、気になる「重い」という評判の真相と、バイク本来の特徴について詳しく解説します。
- ビアンキ スプリントの基本スペックとエアロロードとしての特徴
- 実際の重量は重いのか カタログ値と走行感のギャップを検証
- 主流となるディスクブレーキモデルのメリットと重量増への影響
- 軽さを求めるなら検討したいリムブレーキモデルの選択肢
- エントリーカーボンロードとしての乗り心地と剛性のバランス
ビアンキ スプリントの基本スペックとエアロロードとしての特徴

SPRINT DISC(画像出典:ビアンキ公式HP)
まずは、検証の対象となるビアンキ スプリントがどのようなバイクなのか、その基本スペックと設計思想について整理しておきましょう。
1970年代に活躍した名車の名前を冠して復活した現在のスプリントは、最新のトレンドを取り入れたカーボンモノコックフレームを採用しています。
【Bianchi SPRINT DISC 105(参考スペック)】
| 項目 | 内容 | 特徴 |
| フレーム素材 | カーボンモノコック | 剛性と快適性のバランスに優れたカーボンレイアップを採用。 |
| フォーク | フルカーボン | ストレート形状でハンドリングの切れ味が鋭い。 |
| ブレーキ | 油圧ディスクブレーキ | シマノ105などの油圧システムで安定した制動力を発揮。 |
| ケーブルルーティング | 内装式(最新モデル) | ステム下からフレーム内へケーブルを通し、空力特性を向上。 |
| タイヤクリアランス | 最大32mm | 太めのタイヤにも対応し、快適性や走破性を高めることが可能。 |
| BB規格 | プレスフィット(BB86など) | ペダリングパワーを効率よく伝達する大口径シェル。 |
スプリントの最大の特徴は、エントリーからミドルグレードの価格帯でありながら、エアロダイナミクスを意識したフレーム形状を取り入れている点です。トップチューブやダウンチューブは角断面に近い形状を採用し、空気の整流効果を高めています。
また、シートステーの位置を下げたドロップシートステーデザインは、後輪周りの空気抵抗を減らすとともに、路面からの突き上げを緩和する快適性向上にも寄与しています。
さらに、近年のモデルチェンジによってケーブル類がフレーム内装式となり、ハンドル周りの見た目が非常にスッキリしました。これは単なる見た目の美しさだけでなく、エアロ効果を高めるための進化です。
このように、スプリントは単なる廉価版カーボンバイクではなく、上位モデルである「オルトレ」シリーズなどで培われたレーシングバイクのDNAを色濃く受け継いだ、本格的なエアロロードとしての側面を持っています。
実際の重量は重いのか カタログ値と走行感のギャップを検証
さて、最も気になる「スプリントは重いのか?」という点について検証していきましょう。
一般的に、このクラス(20万円〜40万円台)のディスクブレーキ搭載カーボンロードバイクの完成車重量は、およそ8.5kg〜9.0kg程度が相場です。スプリントの重量も、サイズや搭載コンポーネントによりますが、概ね8.7kg〜9.0kg前後(ペダルなし)であることが多いです。
ハイエンドモデルが7kgを切る世界であることを考えると、数値上は確かに「重い」と感じるかもしれません。しかし、これには明確な理由があります。完成車価格を抑えるために、ホイールやハンドル、ステム、シートポストといったパーツ類に、比較的重量のあるアルミ製のエントリーグレード品が採用されているからです。特に初期装備のホイールは「鉄下駄」と揶揄されることもある2000g近い重量級のものが付いていることが多く、これが車体重量を押し上げる大きな要因となっています。
しかし、実際に乗ってみると、その評価は少し変わります。スプリントのフレーム自体は、ペダリングパワーを逃さないしっかりとした剛性を持っています。そのため、平地での巡航や緩やかな加速においては、重量ほどの重さを感じさせず、むしろエアロ形状の恩恵によって「よく進む」という感覚を得られるはずです。
重さがネックになるのは、勾配のきつい登り坂や、信号でのストップ&ゴーが頻発する場面です。これらは物理的な重量がダイレクトに影響するため、漕ぎ出しの瞬間に「もっさり」とした重さを感じる可能性があります。
つまり、「スプリントは重い」という評判は、「フレームが重いわけではなく、初期装備のパーツ(特にホイール)が重いために、漕ぎ出しで重さを感じやすい」というのが正解と言えるでしょう。

主流となるディスクブレーキモデルのメリットと重量増への影響

ミニモビジャーナルイメージ
現在、ビアンキを含む主要メーカーのロードバイクは、ディスクブレーキモデルへの移行がほぼ完了しています。スプリントにおいても、新車で購入できるのは基本的にディスクブレーキ仕様となります。
ディスクブレーキ化は、システム全体(ブレーキキャリパー、ローター、専用ホイール、フレーム補強)の重量増加を招きます。リムブレーキモデルと比較すると、どうしても500g〜800g程度は重くなってしまうのが宿命です。
しかし、この重量増と引き換えに得られるメリットは計り知れません。
まず、天候に左右されない圧倒的な制動力です。雨の日や長い下り坂でも軽い力で確実に止まることができるため、握力の弱い女性や初心者でも安心してライドを楽しむことができます。
次に、スルーアクスルによる剛性アップです。ホイールを太いシャフトで強固に固定するスルーアクスル方式により、車体の一体感が増し、ペダリングの力が逃げにくくなります。これにより、重量増を感じさせないほどキビキビとした走りを実現しています。
そして、リム(ホイール外周部)の自由度向上です。ブレーキ面を設ける必要がないため、リムをフルカーボン化したり、形状を最適化したりすることが容易になります。これは将来的なホイール交換による性能アップの幅が広いことを意味します。
軽さを求めるなら検討したいリムブレーキモデルの選択肢
「どうしても軽いバイクがいい」「自分でメンテナンスできるシンプルな構造がいい」という方にとって、かつてラインナップされていたリムブレーキモデルのスプリントは、今なお魅力的な選択肢かもしれません。
リムブレーキ仕様のスプリントは、ディスクブレーキ仕様に比べて車体重量が軽く、完成車状態でも8kg前半、パーツ交換次第では7kg台も十分に狙えるポテンシャルを持っていました。
しかし、2025年現在、新車市場でリムブレーキのスプリントを見つけることは極めて困難です。手に入れるには中古市場を探すことになりますが、カーボンフレームの中古購入にはリスクも伴います。前オーナーの転倒によるクラック(ひび割れ)や、見えない内部の剥離などがある可能性があるからです。
もし状態の良いリムブレーキモデルに出会えれば、軽量ヒルクライムバイクのベースとして面白い存在になりますが、今後のパーツ供給(特に高性能なリムブレーキ用ホイールの減少)を考えると、これから長く乗るメインバイクとしては、多少重くてもディスクブレーキモデルを選ぶ方が将来的には賢明だと言えます。
エントリーカーボンロードとしての乗り心地と剛性のバランス

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スプリントの評判を語る上で欠かせないのが、その絶妙な乗り心地と剛性のバランスです。
「スプリント」という名前からは、ガチガチに硬い短距離決戦用のバイクを連想するかもしれませんが、実際の味付けは非常にマイルドで扱いやすいものです。ビアンキの上位機種である「スペシャリッシマ」のような研ぎ澄まされた軽快感や、「オルトレ」のような圧倒的な剛性感とは異なり、スプリントは「誰が乗っても扱いやすい素直な挙動」を目指して設計されています。
適度な剛性は、ペダルを踏み込んだ時に足への反発が強すぎず、長距離を走っても脚が売り切れにくいというメリットがあります。また、カーボンフレーム特有の振動吸収性が、路面の微細な振動をカットしてくれるため、アルミフレームのバイクから乗り換えた瞬間に「乗り心地が滑らかになった」と感動するユーザーも多いです。
最大32mmまで対応するタイヤクリアランスも、乗り心地の調整に一役買っています。標準の28mmタイヤから少し太めのタイヤに変え、空気圧を調整することで、まるでエンデュランスロードのような快適なクルージングバイクへと性格を変えることも可能です。
この「レースにも出られる剛性」と「ロングライドもこなせる快適性」の両立こそが、スプリントが多くのホビーライダーに支持される最大の理由なのです。
ビアンキ スプリントの評判をさらに高めるための軽量化と総評
「スプリントは少し重いけれど、素性は非常に良いバイクである」ということが分かってきました。では、購入後にこのバイクのポテンシャルをさらに引き出し、ネガティブな評判を払拭するにはどうすれば良いのでしょうか。
ここでは、走りを劇的に変える軽量化のテクニックや、コストパフォーマンスを含めた総合的な評価について解説します。
- 走りを劇的に変えるホイール交換による効果的な軽量化
- ハンドルやシートポストなどのパーツ換装で自分好みに仕上げる
- レースイベントからロングライドまで対応できる汎用性の高さ
- コストパフォーマンスの高さがユーザーから評価される理由
- 総括:重いという評判を超えてビアンキ スプリントを選ぶべき理由
走りを劇的に変えるホイール交換による効果的な軽量化

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スプリントの走りを軽くするために最も効果的で、最初に検討すべき投資がホイールの交換です。
前述の通り、完成車に付属しているホイールは耐久性を重視した重量級のものが多く、前後セットで2000g近くあることも珍しくありません。これを、例えばシマノのアルテグラグレードや、マビック、カンパニョーロといったメーカーのミドルグレードホイール(重量1500g〜1600g程度)に交換するだけで、一気に400g〜500gもの軽量化が可能になります。
自転車における「足回りの軽量化」は、静止重量の数倍の効果があると言われています。特にホイールの外周部が軽くなると、信号待ちからのゼロ発進や、登り坂でのペダリングが驚くほど軽くなります。「重い」と感じていたスプリントが、まるで別のバイクになったかのように軽快に加速するようになるでしょう。
さらに予算が許せば、カーボンホイールを導入することで、軽量化だけでなくエアロ性能や見た目の迫力も同時に手に入れることができます。スプリントのエアロフレームには、リムハイト(リムの高さ)が40mm〜50mm程度のカーボンホイールが非常に良く似合います。
環境省が推進する「COOL CHOICE」では、脱炭素社会の実現に向けてスマートムーブ(賢い移動)を推奨しており、自転車はその筆頭です。愛車の性能をアップさせて快適に走れる距離を延ばすことは、エコで健康的なライフスタイルをより長く続けるモチベーションにも繋がります。
ハンドルやシートポストなどのパーツ換装で自分好みに仕上げる
ホイールの次に軽量化の効果が高いのが、タイヤとチューブです。
標準装備のタイヤは耐久性重視で重い場合が多いので、高性能な軽量タイヤと、近年話題のTPUチューブ(熱可塑性ポリウレタンを使用した超軽量チューブ)などに交換することで、足回りをさらに軽くできます。これらは数千円〜1万円程度で実施できるため、コストパフォーマンスの高いカスタムと言えます。
さらにこだわりたい方は、コックピット周りのパーツ換装に挑戦してみましょう。標準のアルミ製ハンドルバーやステム、シートポストをカーボン製のものに交換することで、数百グラムの軽量化が見込めます。カーボンパーツは軽量化だけでなく、微振動を吸収する効果も高いため、手やお尻への衝撃が和らぎ、乗り心地の向上にも直結します。
また、サドルも自分のお尻に合う軽量なものに変えることで、ダンシング(立ち漕ぎ)をした時のバイクの振りが軽くなります。
このように、自分の好みや予算に合わせて少しずつパーツをアップグレードし、自分だけの「軽量スプリント」を育てていく過程も、ロードバイク趣味の醍醐味の一つです。
レースイベントからロングライドまで対応できる汎用性の高さ

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スプリントの魅力は、カスタマイズ次第でどのような用途にも対応できる懐の深さにあります。
週末のサイクリングやグルメライドを楽しみたい時は、太めのタイヤを履かせて快適仕様に。地元のクリテリウムレースやヒルクライムイベントに挑戦したい時は、決戦用の軽量ホイールとタイヤに履き替えてレーシング仕様に。一台でこれほど幅広く遊べるバイクはそう多くありません。
ジオメトリー(フレームの寸法設計)も、過度に前傾姿勢がきつくなりすぎないよう配慮されていますが、ステムの高さやハンドルの位置を調整すれば、深い前傾姿勢をとって空気抵抗を極限まで減らすレーシーなポジションも可能です。
初心者のうちはアップライトな楽な姿勢で乗り始め、体ができてきたら本格的なポジションに調整していく。ライダーの成長に合わせてバイクも進化させていける、まさに「長く付き合える一台」と言えるでしょう。
コストパフォーマンスの高さがユーザーから評価される理由
ロードバイクの価格高騰が続く中、スプリントのコストパフォーマンスは依然として高い評価を得ています。
他社の同価格帯のモデルと比較しても、ビアンキという強力なブランドバリュー、美しい塗装のクオリティ、そしてシマノ105などの信頼性の高いコンポーネントを標準装備している点は大きなアドバンテージです。
特に「見た目」は趣味の乗り物として非常に重要です。所有欲を満たしてくれる美しいチェレステカラーのデザインは、乗らない時でも部屋に飾って眺めたくなる魅力があります。
「かっこいいから乗りたくなる」「乗りたくなるから速くなる」。この好循環を生み出してくれることこそが、スペックシートには表れないスプリントの真の価値かもしれません。
また、リセールバリュー(再販価値)の高さもビアンキならではの特徴です。万が一乗り換えることになった場合でも、ビアンキの人気モデルは中古市場での需要が高く、比較的高値で取引される傾向にあります。
総括:重いという評判を超えてビアンキ スプリントを選ぶべき理由

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ここまで、ビアンキ スプリントの評判や重量の実態、そして軽量化の可能性について詳しく解説してきました。
最後に、この記事のまとめとして、スプリントを選ぶべき理由を振り返ります。
- 「重い」という評判の主な原因は、フレームではなく標準装備のホイールやパーツにある。
- フレーム自体は剛性と快適性のバランスが良く、エアロ効果により平地巡航性能は非常に高い。
- カタログ重量は8kg後半〜9kg程度だが、走りの軽さは数値以上のものがある。
- ディスクブレーキモデルは重量増があるものの、制動力とスルーアクスルの剛性アップによりメリットの方が大きい。
- リムブレーキモデルは軽量だが、新車入手は困難であり将来性を考えるとディスクモデルが推奨される。
- ホイールを軽量なものに交換するだけで、劇的な軽量化と走行性能の向上が体感できる。
- タイヤやチューブ、ハンドル周りのカーボン化など、カスタムによる軽量化の余地(伸び代)が大きい。
- 最大32mmのタイヤクリアランスにより、レースからロングライドまで幅広い用途に対応可能。
- エントリーグレードながら、上位モデル譲りのエアロダイナミクスデザインを採用している。
- チェレステカラーをはじめとする美しいデザインは、所有する喜びと乗るモチベーションを高めてくれる。
- ビアンキブランドの資産価値は高く、リセールバリューも比較的安定している。
- 初心者が最初に選ぶカーボンバイクとして、扱いやすさとステップアップへの対応力が完璧なバランス。
- 過度な軽さよりも、空力と快適性を重視した現代的なオールラウンダーである。
- 「重さはカスタムで消せるが、デザインとブランドへの愛着は変えられない」。
- 結論として、ビアンキ スプリントはネガティブな評判を覆すだけの魅力と実力を持った「買い」の一台である。
ビアンキ スプリントは、あなたを新しい景色の待つ場所へと連れて行ってくれる頼もしい相棒になるはずです。重量という数字にとらわれすぎず、ぜひその美しい車体と走りの可能性に目を向けてみてください。






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