BMXの街乗りはダサい？24インチやオールドスクールの正解とは

BMXを街乗りの相棒にしたいけれど、「いい歳をして乗っていたらダサいと思われるのでは？」と不安に感じていませんか？

結論から言うと、その心配は無用です。選び方とスタイルさえ間違えなければ、BMXは個性的で最高にクールな移動手段になります。

特に近年は、80年代の映画やカルチャーを彷彿とさせるレトロな雰囲気が魅力のオールドスクールスタイルや、大柄な男性でもゆったり乗れる26インチ、操作性と安定感を両立した24インチなど、大人のクルージングに適したモデルが数多く登場しています。これらは「クルーザー」というジャンルとして確立されており、ストリートファッションとの相性も抜群です。

しかし、単に見た目だけで安いモデルを選んでしまうと、安っぽさが目立ってしまったり、すぐに壊れて後悔することになりかねません。また、ブレーキが装着されていない競技専用モデルをそのまま公道で走らせると、道路交通法違反となり、警察に止められる恥ずかしい事態も招きます。定番の20インチはパークでのトリックには最適ですが、サドルに座って漕ぐことを想定していない設計が多く、街乗りだけの用途では少し窮屈に感じることもあるでしょう。

この記事では、初心者が絶対に買ってはいけないBMXの特徴や、身長や用途に合わせたサイズごとの選び方を徹底解説します。「BMXの街乗りはダサい」という偏見を覆し、あなたにぴったりの一台を見つけて、胸を張って街を駆け抜けましょう。

BMXの街乗りはダサいという誤解！24インチやオールドスクールの魅力

この記事では、BMXを街乗りで使う際のサイズ選びやスタイルの重要性について解説します。

大人が乗ると最高にかっこいいオールドスクールBMXの選び方

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「BMXの街乗り＝ダサい」というイメージを持つ人の多くは、子供が乗るような小さな自転車に大人が無理やり乗っている姿や、安っぽいルック車を想像しているかもしれません。しかし、現在のBMXシーン、特に街乗り（クルージング）において、オールドスクールと呼ばれるジャンルは、大人が乗るからこそ輝く、非常に洗練されたカルチャーとして認知されています。

オールドスクールBMXとは、主に1970年代後半から80年代にかけて流行したスタイルを指します。映画『E.T.』に登場したような、カラフルなパッドセット、プラスチック製のホイール（SKYWAYなどのタフホイール）、ガセット（補強板）が入ったフレームなどが特徴です。このスタイルは、単なる懐古趣味ではなく、ヴィンテージファッションやスニーカーカルチャーと密接にリンクしており、ファッション感度の高い層から絶大な支持を得ています。

選び方のポイントは、「復刻版」や「オールドルック」として販売されている信頼できるブランドのモデルを選ぶことです。たとえば、MONGOOSE（マングース）やKUWAHARA（クワハラ）、SE BIKES（エスイーバイクス）といった歴史あるブランドは、当時のデザインを忠実に再現しつつ、強度は現代の基準に合わせたモデルをリリースしています。これらのバイクは、ただの移動手段ではなく、乗る人のライフスタイルやこだわりを表現するアイコンとなります。

オールドスクールの魅力は、その「隙」にあります。最新のカーボンロードバイクのようなピチピチのウェアを着る必要はなく、Tシャツにデニム、VANSのスニーカーといったラフな格好で乗るのが一番カッコいいのです。街中で見かけたときに「あ、あの人わかってるな」と思われるのは、間違いなくこのスタイルです。

20インチは子供っぽい？街乗りでのメリットとデメリット

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BMXと言えば、誰もが思い浮かべるのが20インチのホイールサイズでしょう。これはBMXの標準的なサイズであり、オリンピック種目であるフリースタイルやレースで使用されるのもこのサイズです。しかし、「街乗り」という用途に限定した場合、20インチには明確なメリットとデメリットが存在します。

まず、デメリットからお話ししましょう。最大の懸念点は、やはり「サイズ感」です。身長170cm以上の大人が20インチのBMXにまたがると、どうしても車体が小さく見えてしまい、バランスが悪く映ることがあります。特に、サドルを低くしたまま座って漕ぐと、膝が窮屈になり、まるでサーカスの熊のような格好になってしまうリスクがあります。

これが「ダサい」と言われる原因の一つです。また、タイヤ径が小さいため、長距離の移動ではペダルを漕ぐ回数が増え、巡航速度を維持するのが大変です。

一方で、メリットも確実にあります。20インチの最大の武器は、その圧倒的な「小回りの良さ」と「軽快さ」です。信号が多く、ストップ＆ゴーが頻繁な都市部や、狭い路地裏を縫うように走るシーンでは、20インチの機動力が活きます。また、車体がコンパクトであるため、エレベーターへの積載や、車への積み込み、狭いアパートの玄関での保管が容易であるという点も、日本の住宅事情を考えると大きな利点です。

もし20インチを街乗りで選ぶなら、フレームのトップチューブ（前三角の上辺）が長めに設計されているモデル（20.75インチ〜21インチ以上）を選ぶことをおすすめします。これにより、車体全体の全長が長くなり、大人が乗っても窮屈さが軽減され、シルエットも美しくなります。20インチ＝子供用という固定観念を捨て、フレームサイズ（ジオメトリー）にこだわることが、ダサくならないための秘訣です。

快適さと操作性を求めるなら24インチのサイズ感がちょうどいい

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「20インチだと小さすぎるけれど、26インチだと大きすぎてBMXらしさが薄れる」…そんな悩める大人たちへの最適解が、24インチというサイズです。このサイズは「クルーザー」カテゴリーに属し、街乗りにおける快適性と、BMX特有の操作性を絶妙なバランスで両立しています。

24インチのBMXは、見た目のバランスが非常に良く、大人が乗っても車体が小さすぎると感じさせません。適度な車格があるため、街中での存在感もあり、乗っている姿が自然で様になります。走行性能の面でも、20インチに比べてタイヤ外径が大きいため、段差の乗り越えが楽になり、ひと漕ぎで進む距離も伸びます。これにより、数キロ程度の通勤や通学なら余裕でこなせる巡航性能を手に入れています。

また、24インチはBMXとしてのアイデンティティもしっかり保っています。マニュアル（前輪を上げて走る技）やバニーホップ（ジャンプ）といったトリックも、26インチや29インチに比べれば格段にやりやすく、ちょっとした遊び心を忘れたくないライダーにぴったりです。SUNDAY BIKES（サンデーバイクス）の「Model C」シリーズや、WE THE PEOPLE（ウィーザピープル）の「Atlas」などは、24インチBMXの名作として知られています。

街乗りメインだけど、たまには縁石で遊んだり、ちょっとした段差を軽快に飛び越えたりしたい。そんな欲張りなニーズに応えてくれるのが24インチです。ダサいと言われる要素を排除しつつ、BMXの楽しさを凝縮した、まさに「ちょうどいい」サイズ感と言えるでしょう。

長距離もこなせる26インチで余裕のある大人のクルージング

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さらにゆったりと、そして圧倒的な存在感で街を流したいなら、26インチ以上のBMXクルーザーが選択肢に入ります。かつて26インチはマウンテンバイク（MTB）の標準サイズでしたが、BMXのスタイルでこのサイズを採用することで、独特の迫力と快適性が生まれます。

26インチの最大のメリットは、その巡航性能と安定感です。大径ホイールのジャイロ効果により、直進安定性が高く、スピードに乗ればグングン進みます。路面の凹凸や小さな段差もほとんど気にならず、歩道の継ぎ目などもストレスなく通過できます。サドルにどっしりと座ってペダルを漕ぐスタイルが基本となるため、姿勢も楽で、10km圏内の移動であればクロスバイクやMTBにも引けを取りません。

見た目においても、26インチBMXは大柄なフレームと太いタイヤが相まって、非常に男らしく、タフな印象を与えます。特に海外のBMXライダーたちの間では、ウィリーをしながら街中を集団で走る「Bike Life」ムーブメントにおいて、26インチや29インチのビッグBMXが主流となっており、そのスタイルは最先端のストリートカルチャーとして注目されています。

SE BIKESの「PK Ripper」の26インチ版や「Big Ripper（29インチ）」などは、その象徴的なモデルです。

「BMXに乗りたいけれど、トリックはしないし、とにかく楽にかっこよく移動したい」という方にとって、26インチはベストな選択です。小さなBMXで必死に漕ぐ姿とは対極にある、余裕のある大人のクルージングスタイル。それこそが、26インチBMXが提供する価値です。

見た目がチープで極端に安いBMXを選ぶとダサく見えるリスク

ここまではサイズの話をしてきましたが、サイズ選び以上に「ダサい」と直結してしまうのが、自転車自体のクオリティです。特に、ネット通販やディスカウントストアで売られている、相場よりも極端に安いBMXには注意が必要です。これらは一般的に「ルック車（BMXルック）」と呼ばれ、BMXのような見た目をしているだけで、実際にはBMXとしての強度や機能を持っていない自転車のことを指します。

安いBMXがなぜダサく見えるのか。それは、細部のパーツの仕上げや質感に安っぽさが如実に表れるからです。例えば、溶接の痕が汚かったり、プラスチックパーツが多用されていたり、塗装の質が悪かったりします。さらに致命的なのが、ステッカーのデザインです。意味のない英単語や、子供っぽいグラフィックが貼られていることが多く、これが全体の雰囲気を大きく損ないます。

機能面でも問題があります。安いBMXは、コストダウンのために「ハイテン（ハイテンションスチール）」という重い鉄素材が使われていることが多く、持っても乗ってもズッシリと重いです。本物のBMXに使われる「クロモリ（クロームモリブデン鋼）」のようなしなやかさや軽さがなく、ただ重いだけの鉄の塊に乗っているような感覚になります。また、ベアリングなどの回転部分の精度も低いため、漕いでもなかなか進まず、ギシギシと異音がすることもあります。

「街乗りだけだから安いのでいい」と考えるのは危険です。すぐに錆びたり、故障したりして、ボロボロの自転車に乗ることになれば、それこそが最も「ダサい」状態です。初期投資は少しかかっても、有名BMXブランドのエントリーモデルを選ぶことが、結果として長く愛用でき、所有欲も満たしてくれる賢い選択となります。

BMXの街乗りでダサいと言わせない！違法にならず失敗しないコツ

後半では、公道走行におけるルールやマナー、そして快適に乗るためのカスタムやメンテナンスについて解説します。

ブレーキなしはNG！街乗りで違法にならないためのルール

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BMXを街乗りする上で、絶対に避けて通れないのが法律の問題です。BMXの競技車両（特にフラットランドやストリートの本格的なモデル）の中には、構造上ブレーキがついていない、あるいは取り外されているものが存在します。しかし、これをそのまま公道で乗ることは、道路交通法違反（制動装置不良自転車運転）となり、違法行為です。

警察庁も警鐘を鳴らしている通り、自転車が公道を走るためには、前輪と後輪の両方に、確実に停止できるブレーキを備えている必要があります。ピストバイクのノーブレーキ問題と同様に、BMXも「ブレーキがない方がカッコいい」「トリックの邪魔になる」という理由で外してしまうライダーがいますが、街乗りにおいては論外です。ノーブレーキで公道を走る姿は、周囲から見れば「危険な無法者」であり、クールどころか非常にダサい行為として映ります。

また、夜間走行時のライト（前照灯）の点灯と、後方反射板（リフレクター）またはテールライトの装着も義務付けられています。BMXは競技用自転車としての側面が強いため、購入時にはライトやベル、反射板が付属していない、あるいは簡易的なものしかついていないことがよくあります。

納車されたらすぐに、自身の安全と法律遵守のために、しっかりとしたライトとベルを装着しましょう。最近では、BMXのシンプルなデザインを邪魔しない、小型でスタイリッシュなUSB充電式ライトなども多数販売されています。

さらに、防犯登録も忘れずに行いましょう。職務質問された際に防犯登録がないと、盗難車の疑いをかけられ、長時間拘束されることもあります。 正しいルールを知り、それを守って乗る。これが大人のBMXライダーとしての最低限のマナーであり、カッコよさの前提条件です。

• 参考リンク：警察庁：自転車は車のなかま～自転車はルールを守って安全運転～

ネット通販で初心者が買ってはいけないBMXの危険な特徴

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初心者がBMXを購入する際、最も手軽なのがネット通販ですが、ここには多くの落とし穴があります。絶対に買ってはいけないBMXの特徴を知っておくことで、失敗を防ぐことができます。

まず避けるべきなのは、「BMXタイプ」「BMX風」と記載されているのに、ブランド名が不明確、あるいは自転車専門メーカーではない謎のブランドの製品です。これらの多くは前述のルック車であり、強度が全く足りていません。商品説明に小さく「悪路走行不可」「ジャンプなどのトリックはできません」と書かれている場合は、その自転車はBMXの形をしたママチャリ以下です。

次に、BB（ボトムブラケット）やハブ（車輪の中心）の規格に注目してください。スペック表に「カップアンドコーン」「未シールド」といった表記がある場合、あるいは詳細が書かれていない場合は注意が必要です。本物のBMXは、激しい衝撃に耐えるために「シールドベアリング」という密閉された高性能なベアリングを使用しています。ここが安価なパーツだと、すぐにガタつきが出たり、回転が渋くなったりします。

また、フレームの素材が「スチール」とだけ書かれているものも避けましょう。良質なBMXは「クロモリ（4130 Cr-Mo）」を使用しています。エントリーグレードでは一部にハイテン（高張力鋼）を使うこともありますが、少なくとも主要なパイプ（ダウンチューブなど）にはクロモリが使われているモデルを選びたいところです。

そして、価格があまりにも安すぎるもの。新車で2〜3万円台のBMXは、ほぼ間違いなくルック車です。信頼できるブランドのエントリーモデルは、最低でも5〜6万円台からスタートします。この価格差は、安全と品質の対価です。安物買いの銭失いにならないよう、専門店や信頼できるプロショップが運営する通販サイトを利用しましょう。

トリックなしで街乗りだけ楽しむための快適カスタム術

「自分はトリックをしない。街乗りだけで快適に使いたい」。そう割り切るなら、BMXを街乗り仕様（クルーザー仕様）にカスタムするのがおすすめです。これにより、BMXのルックスを保ちながら、劇的に乗りやすさを向上させることができます。

最初のステップは「サドル」と「シートポスト」です。競技用のBMXは、邪魔にならないようにサドルを極限まで低くし、プラスチック製の硬いサドルを使うのが一般的です。しかし、街乗りでこれを行うと、常に立ち漕ぎをするか、膝を深く曲げて座る苦行を強いられます。そこで、クッション性の高い厚手のサドルに変更し、長いシートポストを使って、座って漕ぎやすい高さまでサドルを上げましょう。これだけで、移動の快適さが天と地ほど変わります。

次に「タイヤ」です。トリック用のタイヤは、グリップ力を高めるためにパターンが細かく、高圧（100psiなど）まで空気を入れる設計になっていますが、これは街乗りでは路面の振動を拾いすぎて疲れます。街乗り用には、少し太めでエアボリュームがあり、転がり抵抗の少ないスリックパターンや、ストリート用のタイヤ（60〜80psi程度）を選ぶと、乗り心地がマイルドになり、スムーズに進むようになります。

さらに「ギア比」の見直しも有効です。BMXのギアは加速重視で軽めに設定されていますが、これだとスピードを出したい時にペダルが空転してしまいます。スプロケット（前の歯車）を少し大きくするか、コグ（後ろの歯車）を小さくして、ギア比を少し重くすることで、ゆったりとしたペースで巡航できるようになります。

これらのカスタムは、自転車屋さんで相談すれば比較的安価に行えます。自分だけの街乗りスペックを作り上げる過程も、BMXの楽しみの一つです。

ステッカーやパーツの色使いで差をつける大人の遊び心

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BMXの最大の魅力は、その自由なカスタマイズ性にあります。フレームやパーツの規格がシンプルであるため、グリップ、ペダル、チェーン、タイヤ、ケーブルなど、あらゆるパーツを好みの色に変えることができます。ここでセンスを発揮することで、「ただの自転車」ではなく「自分のマシン」へと昇華させることができます。

初心者が手軽に始められるのが、ステッカーチューンです。お気に入りのアパレルブランド、バンド、あるいは地元のショップのステッカーをフレームに貼るだけで、一気にストリート感が増します。ただし、ベタベタと無秩序に貼るのではなく、色味を統一したり、貼る位置を計算したりすることで、より洗練された印象になります。

カラーパーツを取り入れる際は、「差し色」を意識しましょう。例えば、車体がブラックなら、グリップとペダルだけを明るいオレンジやネオンイエローにする、あるいはタイヤのサイドウォール（側面）が飴色（スキンサイド）のものを選ぶなど、全体のトーンを崩さずにアクセントを加えるのが大人の遊び心です。

逆に、すべてのパーツをバラバラの色にしてしまうと、まとまりがなくガチャガチャした印象になり、「ダサい」と思われる原因になります。全体の配色は3色以内に抑えるのが、スタイリッシュに見せる基本テクニックです。自分のファッションスタイルと自転車のカラーリングをリンクさせるのも、街乗りBMXならではの楽しみ方です。

まとめ：ルールとマナーを守ればBMXの街乗りはダサいどころか最先端

最後に、BMXを街乗りで楽しむためのポイントをまとめます。BMXは単なるスポーツ機材ではなく、カルチャーそのものです。適切な選び方とマナーを守れば、これほど自由で楽しい乗り物はありません。

国土交通省のデータによると、環境意識の高まりや健康志向から、自転車を通勤や移動手段として活用する動きは国レベルで推進されています。

単なる移動手段を「遊び」と「スタイル」に変えるBMXは、現代の都市生活において最も賢く、エキサイティングな選択肢の一つです。ぜひ、あなただけの一台を見つけて、街へ飛び出してください。